ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブとは?~世界最大の時計展を徹底解説~

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はじめに

 時計愛好家や業界関係者が毎年春に心待ちにする一大イベントがウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブです。スイスのジュネーブで毎年開催されるこの時計展は、世界中の高級時計ブランドが新作モデルや最新技術を披露する場として知られています。
 この記事では、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブの概要から歴史、参加ブランドや見どころ、そして最新トピックスまでを詳しく解説します。

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ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブとは

 ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ(Watches & Wonders Geneva)は、スイスのジュネーブで毎年開催される世界最大級の時計見本市です。例年3月末から4月初旬にかけて約1週間の日程で行われ、会場となるジュネーブのパレクスポには世界各国の時計ブランドが集結します。ロレックスやパテック フィリップ、カルティエ、IWC、タグ・ホイヤー、グランドセイコーなど、名だたる高級時計メーカーが一堂に会し最新モデルを発表するため、時計業界の「祭典」とも呼ばれています。各ブランドのブースでは新作時計や革新的な技術が披露され、訪れた人々は今年のトレンドや話題作を直接目にすることができます。まさに時計界における最新トレンドの発信地となっており、世界中の時計ファンにとって見逃せないイベントです。

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ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ開催への経緯

 いまでこそ世界最大級となったウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブですが、その歩みは1991年に始まったSIHH(ジュネーブサロン)にまで遡ります。
 SIHH(Salon International de la Haute Horlogerie)はリシュモングループ主導で毎年ジュネーブにて開催され、高級時計ブランド(カルティエ、ジャガー・ルクルト、IWC、A.ランゲ&ゾーネなど)が中心となる国際見本市でした。
 一方、同時期にスイスではバーゼルワールド(Baselworld)というもう一つの大型時計展示会が存在し、こちらは歴史・規模ともに最大級でロレックスやパテック フィリップ、LVMHグループのブランド(タグ・ホイヤー、ウブロ、ゼニスなど)を含む幅広いメーカーが参加していました。

 しかし、バーゼルワールドは運営面での問題や主要ブランドの相次ぐ撤退、さらに2020年のコロナ禍の影響もあり2020年に事実上消滅しました。そこで、従来バーゼルワールドに出展していたブランドの多くがジュネーブサロン(SIHH)の場に合流する形となり、2020年にSIHHは名称を「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ」へと改めて再スタートを切りました。これにより参加ブランドの幅が一気に広がり、イベントの規模も格段に大きくなりました。

 なお、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブとして発足した最初の2年間(2020年・2021年)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン開催のみとなりました。
 しかし、2022年からはリアルでの開催が再開され、それ以降毎年春に実際に足を運べる展示会として開催されています。オンライン開催で培ったデジタル技術の活用と、対面イベントならではの熱気を融合させながら、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブは年々盛り上がりを増しています。

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参加ブランドと世界最大級の規模

 ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブは、参加ブランド数・来場者数において他の時計展示会を圧倒する規模を誇ります。前身のSIHH時代は主にリシュモングループ傘下のブランドが中心でしたが、現在では独立系や他グループのブランドも多数参加しています。具体的には、前述のロレックスやパテック フィリップ、オメガ傘下以外のほとんど全ての主要ブランドが名を連ね、高級時計業界の“オールスター”が集結する場と言えます。近年は日本のグランドセイコーをはじめ、世界各国の多様なブランドも参加し、その顔触れは一段と国際色豊かです。

参加ブランド数は年々増加しており、2022年は30数ブランド規模だったものが、翌2023年には約50ブランドに拡大、2024年には50以上に及びました。そして現在では60ブランド近くもの出展があるなど、その規模は世界最大級です。このように多数のブランドが一堂に会することで、各社の新作を一度に比較したり業界全体の動向を俯瞰したりできるのがウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブの魅力です。また、有名ブランドのCEOやデザイナー、技術者なども来場するため、会場では業界の第一人者たちによる交流や対話が繰り広げられます。まさに時計業界の現在と未来を象徴する国際イベントと言えるでしょう。

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新作発表と多彩なイベント

ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ最大の見どころは、なんといっても各ブランドの新作時計発表です。各メーカーがこのイベントに照準を合わせて一年分のニューモデルや革新的な技術を用意してくるため、会場では世界初公開となる腕時計が目白押しかつ発表内容も非常に多彩です。それらの新作の中には、その年の時計業界全体のトレンドを左右するようなモデルも含まれるため、各国のジャーナリストやバイヤーは真剣な眼差しでブースを巡り、情報収集を行います。

 また、本イベントでは新作展示だけでなく多彩な関連イベントも開催されます。著名人や時計職人を招いた講演会・トークセッション、新技術のデモンストレーション、さらには来場者が実際に時計製作の一端を体験できるワークショップなど、内容は盛りだくさんです。これらのイベントは業界関係者向けだけでなく、事前登録制で一般愛好家が参加できるプログラムも用意されており、時計文化の裾野を広げる役割も果たしています。華やかな新作発表の裏側で時計技術や芸術性への理解を深める機会が提供されるのも、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブならではの魅力でしょう。

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ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025年の注目トピックス

2025年のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブは、4月1日~7日までの会期で開催されました。参加ブランドは過去最多の全60社にのぼり、前年よりもさらに規模が拡大しています。特に2025年は、これまで未参加だったブルガリをはじめ新たに6つのブランドが加わったことが大きな話題となりました。会場となったパレクスポのブースは史上最大数となり、ジュネーブの街全体が時計の話題で沸いたと言っても過言ではありません。

 肝心の新作発表でも、多くの注目モデルが登場しました。伝統のデザインを現代的に再解釈したタイムピースや、最新の素材・技術を投入したハイテク時計など、各社が趣向を凝らした新製品を披露しています。中でもロレックスが発表した新モデルや、パテック フィリップの高度な複雑機構時計、そして日本のグランドセイコーの意欲作などは来場者の大きな関心を集めました。また近年の傾向として、過度に派手な装飾よりも本質的な技術・伝統美に立ち返るようなモデルが増えている点も見逃せません。2025年の会場でも、各ブランドが自社の歴史や職人技を強調したタイムピースを打ち出しており、機械式時計の奥深さと魅力を再認識させる内容となりました。

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まとめ

 ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブは、世界中の時計ブランドとファンが一堂に会し、最新の時計トレンドに触れることができる大変貴重な場です。その歴史は老舗ブランドの伝統と新興勢力の台頭が交錯する時計業界そのものを映し出しており、年々スケールアップしながら進化を続けています。
 新作発表の興奮や業界人との交流、専門知識を深めるイベント体験など、時計好きにとって夢のような時間が詰まったこの祭典は、まさに「時計の未来」が集結する場所と言えるでしょう。来年もウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブから目が離せません。

たびどり

元時計販売員。販売員時代に培った知識と経験を生かしながら、AIを駆使して趣味でブログを作成。ふと、誰かの時計選びの参考になればと思いブログを立ち上げました。好きな時計ブランドはゼニス。埼玉、神奈川、東京を転々とし、現在は栃木県在住。

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