たびどり
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元時計販売員。販売員時代に培った知識と経験を生かしながら、AIを駆使して趣味でブログを作成。ふと、誰かの時計選びの参考になればと思いブログを立ち上げました。好きな時計ブランドはゼニス。埼玉、神奈川、東京を転々とし、現在は栃木県在住。

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なぜそんなところに? あまりにも高い場所にある時計

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メッカにそびえる世界最高所の時計塔とは?

 「世界で一番高いところにある時計」は、中東サウジアラビアのイスラム教聖都メッカに建つ超高層ビル「アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ(メッカ・ロイヤル・クロックタワー)」にあります。
 複合施設「アブラージュ・アル・ベイト」の中心となるホテル塔のてっぺんに巨大な四面時計が設置されており、時計塔全体としても601メートルに達し、これだけの高所に設置された時計台は他に類を見ません。
 この時計塔は世界で最も高い時計台としてギネス世界記録にも認定されており、メッカの大モスク(マスジド・ハラーム)からほど近い場所で聳え立っていて世界中の注目を集めています。巨大時計塔が建つ場所としてメッカが選ばれた背景には、巡礼者で賑わう聖地を近代的に整備し象徴的なランドマークを造る狙いがありました。

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時計塔の高さ・構造と文字盤の特徴

 この「アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ(メッカ・ロイヤル・クロックタワー)」には、地上約450メートルの高所の四方に時計盤が据え付けられており、これは建築物に設置された時計として世界一高い位置になります。塔の四面にある巨大な文字盤の直径は約43メートルにも及び、ロンドンのビッグベン(直径約7メートル)の6倍以上という桁外れの大きさで世界最大の時計盤です。

 各文字盤には約200万個のLED照明が組み込まれており、夜間にはそれらが鮮やかにライトアップされます。また、時計の四隅には金色のドーム型飾りが設置され、文字盤の中央にはサウジアラビアの国章があしらわれているなど、デザイン面でもイスラム世界の伝統と国家のシンボルが融合したデザインになっています。
 さらに塔の最上部、時計の上には高さ約23メートルにもなる金色の三日月が載せられており、その内部には礼拝用の小部屋(世界でもっとも高いところにある礼拝所。天空の礼拝堂とも呼ばれる)が設けられています。
 時計塔内部には月の観測所や天文台・時計博物館もあり、イスラム暦の新月判定や正確な時刻管理のための原子時計も備えられているなど、単なる飾りではない本格的な設備が整えられているのも特徴です。

 

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色々なトリビアがあるアブラージュ・アル・ベイト・タワーズ

 超高層にあるメッカの巨大時計は、その視認性と象徴性でも群を抜いています。
 晴れた日には約25キロメートル離れた場所からでも視認可能とされ、メッカ市内であればどこからでもその姿を確認できます。さらに塔頂部の尖塔には強力なサーチライトやレーザー光が仕込まれており、2万1000個もの緑・白の閃光灯によって1日5回の礼拝時刻にあわせ光が点滅して合図が送られます。特別な行事の際には最大40基のサーチライトが夜空に光芒を描き、加えて強力なレーザー光線は上空30kmの範囲まで達するともいわれます。こうした光の演出に加えて、塔のスピーカーからは半径約7kmにわたりアザーン(礼拝への呼びかけ)が放送される仕組みになっており、広範囲の信徒に時を知らせる機能を担っています。

 イスラム教において一日五回の礼拝や一年の断食月(ラマダン)開始日は厳格な「時刻」によって規定されています。そのため、時間を表示するメッカの時計塔は時間の規範を可視化した聖地の象徴としての役割も担っています。

最後に技術的なトリビアを少し紹介すると、この巨大時計の長針(分針)の長さは約23メートル、短針(時針)でも約18メートルもあり、その針の重さは合計12トンに達します。時計台を支える鉄骨フレームは重量1万2千トン以上とも言われ、これだけの質量を高高度に組み上げた建設工学上の偉業でもあります。あまりの巨大さに、メンテナンス作業員が文字盤上に乗って作業できるほどで、実際に時計の上に人が腰掛けている写真が話題になったこともあります。このように「世界で一番高いところにある時計」は、時間を示す機能だけでなく、そのスケールと技術・宗教的意義によって人々を驚嘆させる時計となっています。

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最後に~他の高所にある有名な時計~

 アブラージュ・アル・ベイト・タワーズにも、世界には「高いところにある時計」として知られる建造物がいくつか存在します。その代表的な例を挙げ、高さや文字盤の規模を簡単に比較してみましょう。

  • NTTドコモ代々木ビル(日本・東京) – 新宿にある高さ240mの超高層ビルで、北側外壁に直径約15mの大時計が地上約150mの位置に設置されています。NTTドコモの創立10周年を記念して2002年に設置されたもので、2011年にメッカの時計塔が完成するまでは世界一高い位置にある時計台でした。

  • エリザベス塔(英国・ロンドン) – 通称「ビッグ・ベン」として知られる国会議事堂の時計塔で、塔の高さは約96m、四面の文字盤の直径は約7mです。メッカの時計盤はこのビッグ・ベンの6倍以上の大きさを誇ります。

  • アレン・ブラッドリー時計塔(米国・ミルウォーキー) – 高さ約86mの塔で、四方向に直径約12mの時計盤を備えています。かつては世界最大の4面時計として知られていました。

  • ジェヴァヒル・ショッピングモールの時計(トルコ・イスタンブール) – 商業施設の天井に描かれた直径約36mの巨大時計で、建物の高さそのものは高くありませんが、かつては世界最大の「時計盤」として注目されました。

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元時計販売員。販売員時代に培った知識と経験を生かしながら、AIを駆使して趣味でブログを作成。ふと、誰かの時計選びの参考になればと思いブログを立ち上げました。好きな時計ブランドはゼニス。埼玉、神奈川、東京を転々とし、現在は栃木県在住。

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